松尾潔のメロウな木曜日
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クドカン×TBS磯山晶「不適切にもほどがある!」は旧ジャニーズ出演ゼロでも物足りなさ皆無
今週と来週の2週にわたって、最近もっとも心を揺さぶった2本の新作エンターテインメントをご紹介したい。いずれも「昭和」「中学校」「音楽」が大きな役割をはたしている両作品だが、作り手の生年は、1968年…
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今からでもいい、上川外相は麻生太郎氏の無礼を公の場で糾弾するべきだ
1月27日深夜、在京FM局J-WAVEの人気番組『TOKYO M.A.A.D SPIN』で、近田春夫さんと小泉今日子さんが、ぼくの新刊『おれの歌を止めるな ジャニーズ問題とエンターテインメントの未来…
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はっきり言おう、ミスコンなんて時代錯誤のイベントもうやめちゃいませんか?
今週月曜(1月22日)、『第56回ミス日本コンテスト2024』の最終審査が都内で行われ、愛知出身のモデル・椎野カロリーナさん(26)がグランプリに選ばれた。 ウクライナ人の両親のもとに生まれ…
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妻の実家の居間の壁に飾られた見慣れない刺繍絵をめぐるエピソード
正月、妻の九州の実家を訪ねた。 この冬に入って一番の寒さだった。木製の玄関扉のノブに手を伸ばす。こんなに重かったっけ。結婚して20年とすこし。この扉もそれと同じ長さの歳月を経たのだな。 …
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権力を監視すべき立場の放送人が、大臣や長官みたいなスタンスを気取ってどうすんのよ
本日1月11日、ぼくの新刊『おれの歌を止めるな』が発売された。先週お伝えしたように、この本は福岡RKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』での発言や新たな書き下ろしも収めているが、ベースとなって…
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ひとつだけ、音楽と同じくらい大切にしてきたものがある。
元日に発生した能登半島地震により被災されたみなさん、ならびにそのご家族やお近い方々に心からのお見舞いを申し上げます。みなさんの安全と被災地の一刻も早い復興を心よりお祈りするとともに、復興に尽力されて…
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SNSで最も引用されたのは「子どもの涙の上に成り立つようなアートって、ぼくら要ります?」
今年のクリスマスは今年最後の月曜日だった。毎週月曜にDJを務めているNHK-FM『松尾潔のメロウな夜』は年末特番のためお休み。そのかわりというわけではないが、ぼくはBS-TBS『報道1930』に初め…
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ぼくたちの日々には、もっと曖昧でユルい「愉しさ」が足りないのではないか
師走最初の土曜日(12月2日)の午後、東京・御茶ノ水のブックカフェ〈エスパス・ビブリオ〉で催された「泉麻人×一志順夫トークショー『昭和50年代の東京について語ろう』」は、サブカルチャーを偏愛する数十…
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『ティル』がいよいよ公開…米国の残酷すぎる史実が劇映画化される意義と意味
今週末12月15日(金)、『ティル』がいよいよ劇場公開される。1955年に米国南部で実際に起きた、14歳の黒人少年が壮絶なリンチを受けて殺害された事件と、その後に彼の母親がとった勇気ある行動を丹念に…
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舞台「外地の三人姉妹」は過去が題材だが、その描く先には未来がある
まず大きな声で言おう。KAAT(神奈川芸術劇場)で現在上演中の日韓共作舞台『外地の三人姉妹』。これは傑作。お時間のある方はぜひ足を運ぶべし。今度の日曜日(12月10日)まで。観て損はしません! …
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まさに中学受験? 大企業があげる過去最高益と危機的な生活苦が同時発生する現代ニッポン
見慣れない四字熟語のインパクトに惹かれ、書店でこの本を手にとった。やはりタイトルの力って大きいなぁ、としみじみ。教育ジャーナリスト・おおたとしまさの新著『中受離婚』(集英社)のことである。もちろん「…
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10代で何かに猛烈に心を奪われた経験をもつ人へ…中森明夫著「推す力」は上質な成長譚だ
ぼくのX(旧ツイッター)で長らく冒頭に固定しているポストが、2022年9月に始まった本連載の初回の写真。そこでぼくはふたりの60代作家に挟まれている。彼らにはいくつかの共通点があるが、なかでも興味深…
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畠山理仁にしか採取できない言葉と景色が、この国にはまだまだたくさん残っている
活況を呈する政治ドキュメンタリー映画。シーンを牽引するひとりが大島新監督であることは、9月の本連載で述べた通り。彼の代表作『なぜ君は総理大臣になれないのか』や『国葬の日』のプロデュースを手がけ、とき…
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大人の恋愛を構成するものは、恋愛感情だけではない。だからおもしろい
軽井沢在住の作家・小池真理子さんを訪問したと報告した4月の本連載で、「一編の小説を書くのはそれだけで貴重な人生経験」と記した。これはぼくが一昨年(2021年)に上梓した初めての長編小説『永遠の仮眠』…
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中村うさぎ&マツコ・デラックスの掛け合いに思う…週刊誌の人生相談回答者に必要な資質と能力とは
季節外れのインフルエンザに罹患した娘に付き添って行った調剤薬局で、思いのほか待たされることになった。なかなか名前が呼ばれない。 薬剤師が先客に話す内容が聞こえてくる。今年は前例がないレベルで…
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「ジャニーズ最後の日」とダンディズムの終焉…故人たちに多くの気づきを与えられた月曜日
今週月曜(10月16日)、朝のテレビはその日が「ジャニーズ最後の日」であると報じた。翌17日付で社名が「SMILE-UP.」に変わる。それを惜しみ週末のジャニーズショップや本社ビル前に集ったファンた…
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『白鍵と黒鍵の間に』の濃厚なジャズ的リアリティ。そして「博」と「南」の間に…
ジャズを題材にした映画はとかく賛否が分かれやすいものだ。 例えば、2015年に日本公開されて評判をとったデイミアン・チャゼル監督の『セッション』。この映画をめぐっては、ジャズミュージシャン・…
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ジャニーズ会見で質問者「NGリスト」のスクープがNHKから発信された意味は途轍もなく大きい
9月の記者会見で創業者の喜多川ジャニー擴氏の性加害を認めたジャニーズ事務所が、今週月曜(10月2日)、ふたたび記者会見を開いた。14時スタートにあわせて放送された各局中継の視聴率はNHK+民放4局総…
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和田靜香さんの作品群は昭和・平成・令和の時代のスケッチとして読み継がれていく
コロナ禍の2021年、日本の政治について綴られた2冊の長いタイトルの本が出版されて話題を集めた。『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』と『選挙活動、ビラ配りからや…
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この国の音楽業界には、こんなにカッコいい72歳がいる。
前回の予告通り、今週の日曜日(17日)、大島新監督の新作『国葬の日』上映トークイベントをポレポレ東中野で行った。そのまなざしにつよい共感を抱いてきた同世代の大島監督だが、公開の場で対談するのは初めて…