AYA SHIMAZU名義で世界デビュー 「歌怪獣」島津亜矢さんを巡る奇跡
歌手の島津亜矢をとりあげた3月3日の『情熱大陸』(TBS系)が大きな反響を呼んでいる。10日までTVerで無料視聴できるので、未見の方はご覧になることを強くお勧めする。
番組は、本領の演歌だけではなく、AdoやYOASOBIなどの最新ポップスからアニメソングまでを超絶技巧で歌いこなしてきた亜矢さんが、いま新しい挑戦に向き合う姿を追った。その挑戦とは、「ソウルの女王」と呼ばれるアメリカ人女性シンガー、アレサ・フランクリン(2018年没。享年76)の代表曲をカバーしたアルバムの制作。アルバムのプロデューサーであるぼくには、放映中から連絡が相次いだ。番組にちらりと出ていたせいもある。数日経ったいまでも、会う人会う人から番組の感想を聞く。ふだん音楽とはあまり縁のない方から業界人までが異口同音に語るのは、「(島津亜矢が)前からうまいとは思っていたけれど、まさかここまでとは!」という驚きである。
島津亜矢の規格外のうまさを最も端的に言い当てたのは、タレント、俳優、そしてミュージシャンとしてマルチに活躍するマキタスポーツさん。彼は15年のNHK紅白歌合戦で初めて亜矢さんの歌声にふれたという。曲は彼女の地元・熊本の方言が歌詞に織り込まれた「帰らんちゃよか」。そのときの印象をマキタスポーツさんは22年の本紙で生々しく語っている。「細かい息遣い、歌っていないところでもバイブレーションが聴こえてくる感じ。歌い尻もきれいで伸びる。それからマイクですね。亜矢さんは胸の位置から動かさないで、強弱をつける。すごいなあと思いました」