英BBC「補食者の影」を見て感じた “スター東山紀之”の声で語られる軽薄で空疎な言葉の危うさ
4月3日、ジャーナリスト津田大介さんが編集長を務める独立型オンライン報道番組『ポリタスTV』に初めて出演した。登録者数6万人を誇る人気YouTubeチャンネル。以前から同チャンネル有料会員だったぼくにとっては、たいへん嬉しく光栄な機会である。MCを務めたのはライター和田靜香さん。和田さんといえば、先月、東京・下北沢の本屋B&Bで小泉今日子さんとぼくと共にトークイベントを催したばかり。今回はその延長戦とも呼べるもので、ぼくの新著『おれの歌を止めるな ジャニーズ問題とエンターテインメントの未来』(講談社)の内容をさらに深掘りしようというテーマだった。
ところで、ポリタスTVの特色のひとつに、英BBCの出演者ジェンダー平等基準に則り、月単位で番組のゲスト出演者が男女半々になるようテーマ選定とブッキングをしていることが挙げられる。ぼくのゲスト出演も当然その対象となる。そして、出演日の直前の週末となる先週土曜(3月30日)に、まさにBBCニュースで放映されて話題になっていたのが『捕食者の影 ジャニーズ解体のその後』。これは昨年3月、旧ジャニーズ性加害問題を告発してその後の大きなうねりのきっかけを作ったBBCのドキュメンタリー『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』の続編。ぼくのポリタスTV出演が決まった時点では、放映はまだ発表もされていなかった。タイミングが重なったのはまったくの偶然だ。