権力を監視すべき立場の放送人が、大臣や長官みたいなスタンスを気取ってどうすんのよ
本日1月11日、ぼくの新刊『おれの歌を止めるな』が発売された。先週お伝えしたように、この本は福岡RKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』での発言や新たな書き下ろしも収めているが、ベースとなっているのは本連載である。
偶然とはいえ出版日も重なったことだし、前回に続いて今回も本の内容をさらに深掘りしてみようと思っていたのだけれど。いま巷を騒がす松本人志の一件について触れないのは、この連載の性格を考えれば自然ではない気がする。
昨年12月27日発売の『週刊文春』に、松本さんが8年前、女性に性的行為を強要したと報じた記事が掲載されて以来、まったく止むことのない騒ぎは、彼が裁判に専念するために芸能活動を休止するという事態に至った。つまり松本さんと彼を擁する吉本興業は一目瞭然のファイティングポーズをとったわけだ。
一方の文春側はどうか。一歩も引かないところをみると、記事は名誉毀損にはあたらないと言い切るだけの取材結果を未公開のもの含め多数ストックしているに違いない。対決の図式にネットの世界は湧きたち、「女衒」「上納」といった時代がかったパワーワードが次々に登場することもその狂躁に拍車をかける。