「ハーバード医学教授が教える 健康の正解」サンジブ・チョプラ、デビッド・フィッシャー著 櫻井祐子訳
世の中にあまたある“健康情報”。しかし中には科学的証拠(エビデンス)が乏しいものも少なくない。サンジブ・チョプラ、デビッド・フィッシャー著「ハーバード医学教授が教える 健康の正解」(櫻井祐子訳 ダイヤモンド社 1620円+税)では、決定的なエビデンスがそろう健康情報を紹介。大規模集団(コホート)を一定期間にわたり追跡した研究から、著者が“ビッグファイブ”と呼ぶ5つの食物・習慣を取り入れた人にどんな健康効果が表れているのか、その実データを詳述している。
健康効果に関する研究が世界で1万9000件を超え、“究極の飲み物”と断言できるのが「コーヒー」であるという。アメリカの研究では、コーヒーを1日2杯飲むとアルコール性肝硬変のリスクが40%下がることが分かっている。1日6杯以上飲む男性は、まったく飲まない男性と比較して進行性前立腺がんになるリスクが60%低いことも明らかになっているという。
コーヒーには、脳の抑制性神経伝達物質の働きを弱め、脳機能を刺激する作用もある。その結果、1日3杯以上飲む人は、まったく飲まない人よりもパーキンソン病のリスクが5倍低くなる。世界的なアルツハイマー病の専門誌「ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ」には、1日3~5杯飲む人はアルツハイマー病と診断されるリスクが65%も低くなるという報告もあるのだ。
本書ではこの他、「ビタミンD」「運動」「ナッツ」「瞑想」に関するデータを解説。“ビッグファイブ”は膨大なエビデンスがあり、かつ手軽に習慣化できるものばかり。著者は、これらを生活に取り入れないことは自分自身に対する大きな損失だと説いている。