ライオンに噛まれて「いい経験」と語った畑正憲
<2000年5月>
ムツゴロウというあだ名で親しまれる作家の畑正憲(78)。2000年にテレビの特番収録中、思いも寄らぬ出来事に巻き込まれた。
5月16日午前、畑正憲とフジテレビのクルーは、ブラジルのコティアという町の民間動物保護施設にいた。7月20日放送予定の「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」のロケを行っていたのだ。
畑はサーカスで虐待され、そこに保護されていた雄の4歳のライオンのオリに向かう。ライオンが背中の毛を逆立てているかどうかなど、怒りのシグナルを出していないか30分にわたり確認し、いよいよ11時ごろ、オリの金網に手をかけてライオンと向き合った。
ところが、ライオンが金網から出ていた右指にガブリと噛みつく。それで右手中指の第1関節から先の爪の部分が食いちぎられ、失われた。ちょうど畑の背後にいた人が獣医に挨拶しようと移動した時だった。
畑は原因についてこう語った。
「ライオンは恐らく、ボクまでこの場所から離れてしまうと感じたのでしょう。それで引き留めようとして噛みついたのでしょう」