麻雀中に急性心不全で倒れた若山富三郎
92年3月27日、勝に懲役2年6月、執行猶予4年の判決が下された。実刑も予想される中で勝ち取った猶予判決に、若山は「よかった、よかった」と涙を流し、勝と喜びを分かち合った。上機嫌の若山は「4月1日に人工透析があるから、次の日にうちでメシを食べよう」と誘い、4月2日に勝夫妻と清川虹子を招いて京都の自宅で食事会が開かれた。
復帰を誓う勝に身内同然の清川。会話が大いに盛り上がった食事後、若山は闘病生活を公私ともに支えていたマネジャーの水谷亜希子さんに麻雀卓の用意を指示した。しかし、元気いっぱいに見えていた若山の体が突然グラリと揺れ、隣の清川に崩れ落ちた。すでに意識はなく真っ青。直前まで元気だったため、勝夫妻も清川も最初は冗談かと思ったほど。救急車の中では勝が人工呼吸を繰り返すなどしたが、意識は戻らず、心臓はほとんど停止状態。
搬送先の京大病院でも電気ショックや昇圧剤投与が行われたが、治療のかいなく6時25分、若山は帰らぬ人となった。勝は遺体にすがって「たったひとりのアニキだったのに」と号泣した。