河合奈保子 番組収録中、奈落に落ちる事故
<1981年10月>
朝ドラ「あまちゃん」で、這い上がろうとするアイドルがダンスを練習する場所として連日登場しているのが奈落。河合奈保子が誤ってここに落ちたのは81年10月。
5日夕、東京・渋谷のNHKホールでは7時から収録が始まる人気歌番組「レッツゴーヤング」のリハーサルが行われていた。河合は同じ事務所の先輩、西城秀樹の楽屋で談笑していたが、4時過ぎに河合を呼び出すアナウンスを聞いて元気よくステージに向かった。
4時20分、進行係の「出番です」の声に促されて舞台の下手から指定されていた位置へと飛び出すように駆け出した。指示のあった河合の立ち位置は深さ4メートルの奈落のすぐそば。彼女は視力0.06の近視だが、体質的にコンタクトはつけられない。しかも、ステージは本番前で薄暗い。
ちょうどモニターを見ていたバックダンサーは瞬間的に河合の姿が消えたのを見て「何が起こったのか」といぶかった。近くにいたスタッフは突然の「キャー」という悲鳴に驚いた。河合が場所を見誤り、行き過ぎて、奈落に転落したのだった。