河合奈保子 番組収録中、奈落に落ちる事故
奈落には、ステージに大道具を押し上げる「セリ」という装置の準備をしようとしていた、大道具の係員がいた。彼は真っ逆さまに落ちてくる河合をとっさに受け止めようと動いたが、間に合わず自分の肩に当たった。河合はそれがワンクッションになって、腰から床に落ちた。この時点で河合は意識を失っていた。共演者としてその場にいた田原俊彦や松田聖子もこの事態を目の当たりにして顔面蒼白になった。
すぐ救急車が来て近くの病院に運び込まれ、レントゲン検査を行った。第1腰椎圧迫骨折で全治2カ月の診断。ほんの少し打ちどころがずれていれば、半身不随になってもおかしくない重傷だった。
この後、しばらく寝たきりの生活を余儀なくされ、43日間の入院生活を送った。幸い後遺症はなかった。この活動休止は11月下旬まで続いた。
そして、この休養中に暮れの紅白歌合戦への初出場も決まった。紅白の会場も事故が起きたNHKホール。河合はリハーサル中までは事故の記憶と恐怖感が抜けなかったというが、本番では吹っ切れて「スマイル・フォー・ミー」を持ち前の笑顔で歌い抜いた。