暮れの風物詩 小林幸子と美川憲一の衣装対決
そして、年々、仕掛けが派手になり、94年はドライアイスを大量に使用して滝を演出する“人間ナイアガラ”で、美川と直接対決した。この頃には「幸子を見ないと年が越せない」という視聴者も多く、2人の登場シーンの瞬間視聴率が跳ね上がる現象が起きた。
ただ、「衣装ばかり話題になる」とやっかむ声も上がり始める。紅組常連の和田アキ子は話題を衣装対決に持っていかれるため、番組や取材でとくに不仲が噂される小林をチクリとやって注目を集めたりした。
また、出費が大きいことから美川は「彼女と張り合うと金がかかる」と“本音”も。ただ、それでも「幸子には負けたくないわね」と対抗心をあらわにし、96年の紅白終了後には「頭の大きさではむこうの勝ちね。でも、幸子と違ってこっちは衣装を着てちゃんと動けるのよ」と舌戦を繰り広げて注目を集めた。02年には衣装対決を収録したDVD「二人だけの紅白歌合戦!!」も発売された。
この対決は09年まで続き、10年に美川が落選、幕を閉じた。小林は10年、11年と出場したが、12年に長年、小林を支えてきた所属事務所の社長、専務とのトラブルが世間を賑わせ、落選した。この騒動では社長らは一方的に解雇されたと主張したが、日刊ゲンダイ本紙の取材では専務らの驚きの資産家ぶりも明らかになるなど芸能界ならではの騒動だったというのが真相だろう。