“ムネオ疑惑”に巻き込まれ地獄を見た 元秘書・ムルアカさんは今…
「銚子にある千葉科学大では生命工学などの授業を持ってます。週に1度、神奈川県小田原市の自宅から新幹線と在来特急を乗り継いで通ってるんですが、往復約6時間くらいかかるでしょうか。学生の熱意と勤勉さを見れば、このくらい何ともないですよ。授業の準備をばっちりやって臨み、学生の期待に応えるように心がけてます」
さて、ムルアカさんといえば、やっぱり鈴木宗男元代議士の名前が反射的に浮かぶ。
「宗男さんとはワタシが主催したアフリカの勉強会で知り合いました。アフリカについて正しい認識を持っていただきたいと、勉強会を開き、国会議員の方に声をかけたんです。でも、出席すると返事しながら、来ない人が多かった。そんな中、宗男さんはその日、北海道にいても飛行機で上京して勉強会に出席し、とんぼ返りで北海道に帰るんです。その信義の厚さに感激して交誼が深まり、いろいろ仕事をお手伝いするようになりました」
02年、ムネオ疑惑が吹き荒れ、私設秘書だったムルアカさんも巻き込まれた。
「ワタシは旧ザイール国営放送などの取材経験から、宗男さんを巡る騒ぎは外交の現場での権力争いや妬み、嫉みの一種だと見ていたんですが……。しかし、宗男さんが逮捕されると、日本のメディアは逮捕した側が発表した内容を伝えるだけで、その信憑性を一切検証しない。あれには心底、驚きました。ワタシもすべての仕事を失い、当時の川口順子外務大臣から、ムルアカ氏は偽造パスポートを所持している、とウソをいわれ、そのまま報道された。それが誤報だとわかっても何の謝罪もなく、今もワタシが偽造パスポートを持ってると信じてる人が多いのではないでしょうか」