覚醒剤で逮捕、JAYWALK脱退…中村耕一の「3年半」
「あれは石巻のお寺に泊まらせてもらったときのことです。震災で犠牲になった方のお葬式が行われることになり、ボクの素性を知ったご住職から、手向けに歌って下さい、と頼まれたんです。あと、炊き出しに行った避難所で被災者の方に歌って欲しい、といわれたこともあった。ボクが歌って手向けになるのか。そもそも歌う資格があるのか。何度も何度も自問しましたが、散々迷い悩んだ結果、最後は歌わせていただきました。“ワタシたちも頑張るから、アナタも頑張りなさい”って声をかけられたことは一生忘れられないでしょうね」
かくして、中村さんは音楽活動を再開した。
「今年2月に出したソロアルバム『かけがえのないもの』が実質的な再スタートになりました。この9月からはひとり旅ライブも始め、いろんなミュージシャンと全国各地でコラボしてます。これまで仙台、石巻、青森、東京、四日市を回ったのかな。JAYWALK時代は周囲がサポートしてくれたけど、ひとり旅はライブ会場や宿泊先、交通手段まですべての手配を自分でやらなければならず、不安はありました。ただ、活動を再開するなら、ゼロから始めようと決めてましたから。ホント、この1年は2年、3年くらいに長く感じましたね」