石原さとみ&松下奈緒も…秋ドラマ「ヒロイン2人制」の戦略
成功モデルをパクって制作するのは常套手段。この秋ドラマも慣例にならい、各テレビ局はテレビと映画のヒット作――「花子とアン」や「昼顔」、「アナと雪の女王」同様、2人のヒロインにスポットをあてた作品を手がけている。
友人同士、姉妹、職場の同僚と三者三様の設定。偶然にも(?)モロかぶりは回避された格好だ。
永作博美(44)と石田ゆり子(45)は学生時代の旧友の仲だが、かたや専業主婦で、かたやキャリアウーマン。深田恭子(31)がトラウマを抱えて悶々としているアラサーなら、寺島しのぶ(41)は我が強くて協調性に欠けるアラフォーの弁護士同士。そして、石原さとみ(27)がヤンチャな妹で、松下奈緒(29)は堅物で安定志向型の姉……。
つまり、生き方や性格、世代が異なる“あべこべ”を採用しているというわけだ。
上智大教授の碓井広義氏(メディア論)はこう言う。
「生活スタイルが多様化する中、“ひとりヒロイン”で視聴者の共感を得るのは難しい。電車の路線が単線より複線のほうが便利で、行き先も増えて目的地が選べるように、ドラマもタイプの異なる“二枚看板”を置くことで顧客満足度アップにつながる。新たなヒットの方程式ともいえる、実に理にかなった手法でしょう。目の肥えた視聴者に対して、ステレオタイプだったり杓子定規ではない、よりリアルに近い女性像を描いている。特に『さよなら私』の永作と石田は丁寧な描写で、今後の展開が楽しみです」
イマドキの女性の生態を知ると、よくも悪くも職場のOLや妻を見る目も変わるはずだ。