元日放送なら20%超え? チャンス逃した「オリエント急行」
3連休後半の11日、12日に2夜連続で放送されたフジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件」。三谷幸喜の脚本で、第1夜はアガサ・クリスティの原作を忠実に再現。第2夜は殺人に至る経緯や犯人の行動などを掘り下げて描いた三谷オリジナル編。どちらも3時間の長尺だ。
舞台は昭和初期の日本。タイトルには「オリエント急行」とあるが、ドラマでは「特急東洋」という架空の豪華列車が舞台。その列車が豪華なのもさることながら、発着駅「下関」の駅舎や、調度品、看板、貼り紙に至るまで、細部にわたって当時の雰囲気を醸し出していて、気合が入っているなあという感じ。
最近のドラマはセットや衣装にはこだわってもそういうところはおざなりにしがちなので、大いに評価できる。
出演者は三谷の作品ではおなじみの顔が多く、安心して見られた。主演の野村萬斎も三谷の舞台に出演したことがある。その野村が演じるのは原作の名探偵ポアロではなく、勝呂武尊。
第一声を聞いて、「むむむ」と思ったのはしゃべり方。変にキャラづけしていて、これで最後までやり切れるのかと不安になった。その一方で、これが好評なら、「古畑任三郎」の新作を拒む(!?)田村正和にしびれを切らしたフジ&三谷が萬斎の名探偵勝呂で新シリーズをやろうと企てていて、そのためあえて変なしゃべり方をし、キャラを立たせる算段かもしれない。