「日本映画少なくなった」気鋭の監督に聞く中国最新映画事情
「たしかに、日本映画の上映が少なくなってますね。最近はほとんど見なくなりました」
中国の新鋭、リー・ルイジュン監督(32)はこう語った。9月3日に中国で行われる「抗日戦争勝利70周年」が注目を集め、中国で抗日・反日の戦争ドラマがこぞって放送されるなか、映画館での日本映画の上映状況を来日中のリー監督に聞いてみたのだ。
中国では国内外を問わず、作品を上映するには当局の検閲を通らなければならないが……。
「私は幼いころ、小津監督の映画を通じて日本を学んできました。父母もそうですし、大概がそうだと思いますが、最近、映画館で上映された日本映画というと、『おくりびと』『小さいおうち』くらい。あとはドラえもんとウルトラマンといった子供向けしか思い出せません」
抗日ドラマは、「石で日本の戦闘機を撃ち落とした」といった荒唐無稽な内容やシーンが少なくないとされる。日本映画は上映させない、抗日ドラマは垂れ流せという当局の決定を中国国民はどう見ているのか。
「冗談や娯楽でオーバーに製作されたドラマであれば、突っ込んだり、ナンセンスだと言ったりしていますよ。なんでもかんでも真に受けているわけではありません」