ドラマ「サイレーン」主演 松坂桃李が静かに語った“役者魂”
「今年が勝負と言われ続け7年目(苦笑い)」
松坂は、作品の魅力について「1ページめくるとさらに次のページをめくりたくなるような“毒”のあるストーリー」と話す。
今回で共演4作目となる木村文乃(28)とは公私ともにバディの間柄。2人は機動捜査隊に所属し、とある変死体発見現場で菜々緒(26)演じる謎の美女と出会ったことから彼女の狂気に翻弄されていく。
「連ドラは見る人に、こういう作品は久しぶり、初めて、気になるなどと感じていただければ次回の視聴につながると思っています。この作品にはそういった要素がたくさんあると確信しています」
戦隊ヒーロー、あるいは、NHK朝ドラヒロインの相手役。若手男性俳優の“2大登竜門”といえる作品に、松坂はいずれも出演してきた。しかも朝ドラ「梅ちゃん先生」(12年度上半期)出演以降はほぼ休む間もなく映画やドラマ、舞台をこなす日々。煮詰まったりしないのだろうか。
「実は3年ほど前、朝ドラが終わるぐらいからいくつかの作品の撮影が重なって頭の中がパンクしそうになり、『これ以上アウトプットできません。インプットする時間をください!』と訴えたことがあったんです。それから間もなくして、ポッと自由な時間ができたんですが、ただ時間が持てたら持てたで何をしたらいいのか分からなくて……。その時はやっぱり、自分はお芝居が好きなんだなと気づかせてもらったいい機会でした」
今年は夏の大作映画「日本のいちばん長い日」に続き、3本もの出演映画の公開があり、まさに実りの秋。が、これだけの売れっ子なのにオーディションを受けることもあるという。
「役者は視聴者だけでなく、プロデューサーをはじめ制作側の方々にも自分を認知してもらわないといけない。そのためには出演する映画やドラマを通じて人の目に触れることが一番大切なんです。次に自分がどのような仕事をとってこられるか。マネジャーさんには毎年ここで結果出さないと次がない、今年が勝負と言われ続けて7年目(苦笑い)。つまり、その連続なんですよね。一本一本、しっかりと向き合って自分の中で仕事をしていかないと次がないと常々思っています」
着実にキャリアを積み重ね、共演したい役者や参加したい監督作品を思い描く。なかでも「山田洋次監督の作品に出たいというのがひとつの夢。寅さんがめちゃくちゃ好きなんです」。
十数年後は正月映画の“顔”になっているかもしれない。
▽まつざか・とおり 1988年生まれ、神奈川県出身。男性ファッション誌「FINEBOYS」のオーディション「チャレンジFBモデル2008」でグランプリを獲得し、同誌の専属モデルとしてデビュー。翌年には「侍戦隊シンケンジャー」で俳優活動を開始。以降、NHK朝ドラ「梅ちゃん先生」(12年)をはじめ、多数の映画やドラマに出演。公開中の映画「図書館戦争 THE LAST MISSION」ほか「劇場版MOZU」(11月7日公開)など秋から来年1月にかけて3本の出演作を控えている。