芸歴は38年目 柳沢慎吾“映画初主演”までのデコボコ道
79年、「3年B組金八先生」でデビュー。翌年NHK大河ドラマ「獅子の時代」で菅原文太と共演するが、リハーサルで言えた「おいでなさいまし」のセリフが本番で言えず、他のエキストラに代えられてしまった。
役者をやめたいと泣いたが、持ち前の切り替えの早さで乗り越え、81年の「翔んだカップル」では主演に抜擢される。
「ふぞろいの林檎たち」(83年・TBS系)の西寺実役で注目されるが、山田太一脚本のセリフの一字一句おろそかにできない厳しい現場で徹底的に鍛えられた。
当時、TBSは、深夜の0時で消灯と決まっていた。だがその10分前になっても、演出家から「違う、違う!」とダメ出しをされた。何をやってもダメ出しの連発で、消灯の5分前に「しょうがない、OK」と言われた瞬間、照明が消えたこともあったという。当時のことをある雑誌でこう振り返っている。
「頭のなかで『しょうがない、しょうがない……』って言葉が何度もぶつかり合っているうちに、なんか周りが全体的に見えてきてね」