グラスに酒5合注がれ 4代目・旭堂南陵が受けた“入門試験”

公開日: 更新日:

 まあ、師匠の喜ぶまいことか。というのも、当時、上方の講談師は師匠ただ一人で後継者がおらんかったから。そんな時に弟子にさせてくれ言うて、1杯2杯とスイスイ飲むヤツが現れた。そして「飲め飲め」とついだら5杯も飲むんやから、まあ顔もほころびますわな。

 ところが、「飲めるなら、次も来い」言うて許可をもらったのはエエけど、当時、堺市にあった自宅まで電車で帰るのが大変でね。周りの景色がグルグル回るもんやから途中下車してベンチで寝て、夜中にやっとの思いで家にたどり着きました。

■30分ほどの稽古後は「飲みっぱなし」

 それで、何日かして師匠に稽古つけてもらおう思て、またお邪魔したら、30分ほどちょこちょこっと稽古して、あとは飲みっぱなしや。飲まへんと怒るし、稽古より飲んどる時間の方が圧倒的に長かった。

 しかも、大正生まれの師匠。20代から30代にかけていうと、戦後の酒がない時期。飲みとうても飲まれへんかったせいか、その反動なんでしょうな。ピッチが早いんです。6代目笑福亭松鶴、3代目桂米朝ら大正生まれは皆、早かった。1升ぐらいなら2人で10分あればペロッといきました。そんな師匠と飲むんやから、僕でも強うなりますわ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に