12歳で母代役 サヘル・ローズ“織り子”ホロ苦デビュー秘話
目的地は千葉市の大手百貨店。当時住んでいた都内・泉岳寺からは都営地下鉄と京成本線で1時間15分ほどです。初めての実演、見知らぬ場所という不安に加えて、好奇の視線を浴びがちな民族衣装のままで行くように言われたので、ついついホッペが膨らんだというわけです。日程は木曜から日曜までの4日間だったかしら。
■会場の隣がオモチャ売り場で母に苦情が……
そして開店。最初は頑張って織ってたんですよ。でも、子供ですから、慣れない手仕事に根気が続かず、午前中だけでクタクタ。しかも、会場の隣がオモチャ売り場なのがいけなかった(笑い)。当時は裕福ではなく欲しくても買えないので、オモチャ売り場には近づかないようにしていました。でも、すぐ隣では魅力に勝てません。昼休みはランチもソコソコに入り浸って、無邪気に遊んでしまったのです。民族衣装のまま(笑い)。
当然、ひんしゅくを買いますよね。それすらわからず、その晩帰宅したら、電話に向かって母が謝ってるではないですか。私の不始末で派遣会社から怒られていたんです。母の必死の説明で、翌日も行けることになりましたが、初日のお給料はペナルティーでゼロ。往復の交通費まで無駄になってしまいました。