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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

「トットちゃん!」は予想以上に楽しめる“昭和ドラマ”

公開日: 更新日:

 放送前、「大丈夫か?」と勝手に心配していたが、杞憂だった。帯ドラマ劇場「トットちゃん!」(テレビ朝日系)である。

 このドラマは、あの黒柳徹子さん(84)の物語だ。累計800万部の大ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」や続編「トットチャンネル」などで、黒柳さんの半生は広く知れ渡っている。また昨年、NHKで満島ひかり主演「トットてれび」も放送されている。「手あかのついたネタ」と言われても仕方がなかった。

 しかし始まってみると、予想以上に楽しめる「昭和ドラマ」になっている。黒柳さんが生まれる前の昭和4年にまで遡り、両親の出会いから丁寧に描いてきたことの効果だ。バイオリニストでNHK交響楽団のコンサートマスターも務めた父、黒柳守綱(山本耕史)。現在の東京音楽大学で声楽を学んだ母、朝(松下奈緒)。2人の若き日のエピソードを、まるで彼らが主人公であるかのように、じっくりと見せてきた。

 おかげで視聴者は時代背景を理解すると共に、トットちゃんというヒロインに出会う準備が十二分にできたのだ。

 第2週で、ようやく黒柳夫妻に赤ちゃん誕生。一気に小学生となり、常識という枠におさまらないユニークな言動にも磨きがかかってきた。幼少期のトットちゃん役、豊嶋花の達者な演技に拍手しながら、主演女優・清野菜名(23)の登場を待ちたい。

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