R-1優勝の“ほぼ全盲芸人” 濱田祐太郎のジレンマと期待度
先に行われた「R―1ぐらんぷり 2018」で初優勝。“ひとり芸ナンバーワン”の称号を手にした濱田祐太郎(28)に世間の注目が集まっている。なぜか。アマチュア時代から足かけ6年、一貫して続けてきた漫談芸の質の高さもあるだろうが、それ以上に、ほぼ全盲というハンディキャップをもつ“障害者芸人”であるからにほかならない。
優勝後の会見では、「ずっと漫談をやってきた。ひとりでしゃべることだけで笑わせてきた」と振り返った濱田。漫談家を目指したきっかけについては「相方をつくるだけの社交性がなかった。ひとりで話すほうが自分の肌に合った」と話したが、似たような理由でピン芸人となったバカリズムとはチト意味合いが異なり、言葉以上の見えない苦労があったと推測できる。
自身は舞台上でハンディを意識することはないというが、「周りの芸人は接しにくいと思うかもしれない」と不安もにじませていた。障害者であることを個性として生かしメディアで活動している人は、車椅子芸人のホーキング青山や乙武クンなどごくわずか。
実際、あるバラエティー番組制作関係者は「R―1優勝者はご祝儀でオファーが殺到するが、今回は静観する番組が多く、キャスティングの候補にもあまり挙がっていません。テレビの映像が見えないのにあれだけの笑いを誘えるのは、生まれ持ったしゃべりのセンスに加え、勉強のたまものでしょう。ただし体を張る“汚れ”は無理だろうし、番組を選ぶのは事実。その点、情報番組のコメンテーターならアリでしょうね」。