綾野剛「パンク侍」低空発進…客を置き去りで大コケ懸念

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 作り方も変わっている。現代の映画界で主流とされる複数の企業から出資を募る「製作委員会方式」ではなく、一社単独製作。しかも映画を専門とする会社ではなく、動画配信サービス「dTV」を運営するエイベックス通信放送が手がけた。当初は配信専用のオリジナルコンテンツにするつもりだったが、途中から映画化にシフト。同作のクオリティーについて、映画ジャーナリストの大高宏雄氏は「大がかりなセットや日本映画界を支える俳優陣のキャスティングひとつとっても、大きなスクリーンでこそ映える。エンターテインメント性を重視した作り込んだ作品であり、石井岳龍監督の手腕も感じる」と評価する。

 従来の劇場収入だけでなく、動画配信でも稼げる“一粒で二度おいしい”ビジネス。自社製作だから、別途、映像使用料もかからない。となれば、興収だけで成否を判断するのは早計なのか。

「配信事業は何千本、何万本ものコンテンツを擁するため、一般的な映画ビジネスとは異なり“一本勝負”ではない。重要なのは会員数を増やすことであり、劇場公開は新規の会員獲得の起爆剤としての役割も担っている。ただシネコン興行が不調であれば翌週以降、上映規模は縮小されるため、従来同様、その都度勝負であることにかわりはありません」(前出の大高氏)

 作風も商売もパンク過ぎて、お客は置き去りで候。

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