「板(舞台)の上で私は生きる」と語っていた本田美奈子.
本人はアイドルではないと思っていたそうで、高杉さんが彼女の母親から激怒された“へそ出し”にしても、実は本田自身がアイデアを出してきたそうだ。そして、大酒飲みで日本酒なら1升、ワインならフルボトル4本をあけ、ちょっと陽気になる程度だったという。酔っぱらうということはなかったそうだ。
また、カラオケに行ったら、もっぱら演歌。それを当時教えてくれたら、インタビューもより面白いものになったのに……と残念になる。
ミュージカルを始めた彼女は、「板(舞台)の上で私は生きる」と言ったそうだが、高杉さんは演じるのではなく、“生きる”と言った彼女の強い気持ちを酌み、舞台に専念させた。
思えば、高杉さんとは長い付き合いになる。松崎しげる、岡田奈々、杏里、松本伊代といった有名タレントを育ててきた“名物マネジャー”。当時は剛腕で知られ、怖いイメージを持つくらいだったが、今は初老といってもいいロマンスグレーの紳士に変わっていた。タレントのやりたいことを優先させてあげたいという思いで、マネジメント活動をしていたことがよくわかった。