直角お辞儀、後輩に敬語…前川清50周年の裏に“謙譲”の美学
ワイドショー芸能デスクが言う。
「ツアーは今年2月から全国35カ所をまわり、62公演を行うもの。104曲をCD6枚組に収録した50周年記念アルバム『前川清大辞典』が日本レコード大賞企画賞に選出されたり、九州朝日放送で紘毅と一緒にレギュラーでラジオ番組をやったりと、仕事も順風満帆。得意のトークでは先般、新曲『初恋』が藤圭子さんを母に持つ宇多田ヒカルの新アルバムと同タイトルであったことについて、『こっちは儲かったと思うけど、あっちは失敗したと思っているかも』とネタにして、笑いにしていました」
■後輩の福山雅治の指摘に「わかりました」
大ヒット曲をいくつも持つ有名歌手でも、歌唱力の衰えなどで仕事が来なくなり、いつの間にか芸能界から消えていたり、スキャンダルで騒がれて引退という展開も少なくない。以前ほどCDは売れず、音楽番組も少なくなり、歌謡曲の冬の時代になって久しい。芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。
「ソロになられて随分経ったころ、『お茶しようよ』と喫茶店に誘っていただいたことがあるんです。その席で、ぼくがカラオケで前川さんの楽曲『薔薇のオルゴール』や『天使のえくぼ』を歌わせていただいていますと申し上げると、前川さんはサングラスを外し、立ち上がって『どうもありがとうございます』とあの直立不動の姿勢から頭を下げられた。歌ってくれているお礼だというのです。巨匠でいながらのあの低姿勢、驚きました。その後、ご本をお出しになられたとき、『印税で左うちわですね』と伺ったところ、『いやいや、買っていただけるとしても、ほとんどがファンクラブの皆さんでしょう。本当にありがたいけど、その皆さんも少なくなっているんですよ』って。なんて冷静なんだと、また驚いたものです」