税務当局が吉本に関心…芸人ギャラの差額はどこに消えた?
芸人に対するギャラは吉本にとって経費、損金に当たる。吉本と芸人の取り分が説明通りであればともかく、帳簿上は「5対5」「6対4」と見せかけて実際は「9対1」「8対2」だった場合に問題となるのが“差額”の扱いだ。
「闇営業問題で表面化したように、芸能界はもともと反社とつながりが深い。ゼネコンが地元に配る近隣対策費じゃないが、どうしても公にしたくないカネがあっても不思議ではない。ゼネコンは高い税率を課せられる使途秘匿金や使途不明金扱いで処理していますが、吉本はどういう処理をしているのか。税務当局はそこに関心があるようです」(前出の芸能担当記者)
元国税調査官の佐川洋一税理士は「吉本は(各芸人に対する)支払調書を本人だけでなく税務署にも提出することが義務付けられているため、(脱税などの)ウソをつくことは考えにくい」とした上で、こう続ける。
「あくまで一般論としてですが、税務当局はメディア報道などにも注目しており、把握している(吉本の)申告内容と報道内容に差異があれば『あれ? 差額の申告処理はどうしているのだろうか』と税務調査のきっかけになることも考えられます」
吉本に対し、ギャラや脱税疑惑について質問したが、期限までに回答は得られなかった。税務当局は果たして動くのか。