自粛下の庶民感情を逆なでした“王様”の無神経なコラボ動画
「しばらくは、離れて暮らす『コ』と『ロ』と『ナ』、つぎ逢ふ時は『君』といふ字に」
ネット上で発見した川柳というかフレーズが秀逸であった。現状をチクリと風刺し未来に希望と連帯を感じさせて、少しウルッとさえした。
二条河原の落書の時代から、いつの世も庶民の中から出た名もなき才人が、こうやって後世に残る諧謔やユーモアや風刺を生み出す。その力がある間、この末世のようなご時世でも、人間はまだまだ大丈夫だという気にさせられる。とくに昨今はSNSの発達で自己発信の時代、外出自粛で家にいなければならない境遇を逆手に取って、多くの人がさまざまなメッセージを発信している。
女優の秋元才加さんは自宅で踊る動画をTwitterで連日上げている。ダンサー的なすごい踊りでもなく扮装も自前を工夫したものだが、クネクネと踊る姿がほほ笑ましく(曲名が「Fuck you!」だったりして実は深いのだが)、秋元さんの人間そのものが伝わってくる感じで、なぜかこちらも元気が出てくる。
星野源さんの「うちで踊ろう」も素晴らしかった。有名プロや素人の別なく次々とコラボする画像が楽しく、メッセージはなくても物語る「音楽」が自粛で仕事がなくなったエンタメ業界の人々を勇気づけた。