女子プロ記者語る木村花さんの素顔 リングで育った女の子
18歳で武藤敬司のプロレス総合学院に入学し、プロデビュー。2017年のキムラの引退興行では“母子タッグ”でリングに立った。長い脚から放たれる得意技のビッグブーツ、ミサイルキック、広い肩幅はキムラ譲り。セパレートのコスチュームが映える美しい腹斜筋も往年のキムラを彷彿とさせた。
19年にWRESTLE―1から美女レスラー揃いのスターダムに移籍。ポスターやホームページではセンターに立ち、団体の顔になった。近年、美形ヒール(悪役)は多いが、花ちゃんもそのビジュアルから、ラフファイトも様になった。
高齢のジャガー横田やダンプ松本がいまだ現役でいることもすごいが、体格、ルックスに加えて若さまで兼ね備えた逸材は、なかなかいない。花ちゃんは「次代のエース」と呼ぶにふさわしかった。
キムラは引退後、猪肉弁当を中心とした移動販売車「ピンクの猫バス」を始め、プロレスの試合会場前に出店した。
「紹介します。娘の花です」。キムラから改めて紹介された彼女は、まもなく20歳。当時の面影は残しつつも、エキゾチックで目力の強い瞳。見つめられると女の私でさえドキッとするほど、見目麗しい女性に成長していた。キムラに促され深々と、そして長く礼をした。