“好き”が高じて筒美京平トリビュートミュージカルを作った
作曲家の筒美京平さんが亡くなった。80歳。昭和歌謡という呼び名はこの人の作品のためにあったのではないか。それほどに、あらゆるジャンルの音楽を取り入れ、これも、これも、え、これも、と心に響く名曲、ヒット曲を世に送り出した。
私はとくに筒美サウンドが大好きで、自分がいいなあ、グッとくるなあと思った曲は必ずと言っていいほど筒美さんの作品であった。
今、手元に「HISTORY」というCD8枚組の筒美京平ベストアルバムがある。1967年から1997年までの30年間でヒットした曲が160曲あまり収録され、そのどれもが聴き覚えのある曲で、なおかつ、そのどれもが歌詞カードなしでそらで歌える。
もちろんこれ以外にもヒット曲はあるのだから、ほぼ年に6曲、一見少ないようだがコンスタントに2カ月に1曲ヒットを出し続けるというのは誰にでもできるものではない。それもシンガー・ソングライターではない。あらゆる歌手に歌わせてヒットさせるのは至難の業だ。まさに天才である。
「魅せられて」「男の子女の子」「木綿のハンカチーフ」「仮面舞踏会」、そして「サザエさんのテーマ」まで。その才能は多岐にわたる。まだ全世界に有名になる前のスリー・ディグリーズが歌った「にがい涙」は絶対アメリカの曲のカバーだと思っていたら、これも筒美作品だった。