8カ月で復帰したビートたけしと徳井義実の“決定的な違い”
そこで僕はある記憶がよみがえった。その昔(1986年)、ビートたけし(73)が、たけし軍団を率いてフライデー襲撃事件を起こした。各局、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「スポーツ大将」「風雲!たけし城」「スーパージョッキー」などへの出演を軒並み取りやめさせたが、彼が出ないと視聴率が下がってしまい、申し合わせたように無理して復帰させた。最も早かった「スーパージョッキー」は自粛期間わずか8カ月、実刑判決から2カ月後のことだった。
当時は右翼の街宣車まで出てくる騒動に発展したが、たけし抜きでは番組が成立しなかったからだろう。
改めて徳井に対するテレビ局幹部の対応を考えてみよう。徳井のトークは必要だと思っていても、他の出演者でやっても視聴率や演出に変化がなかったとなると、「それぞれどのタイミングがいいのか、まだ結論が出ていない」という反応にならざるを得ない。テレビ局の事情というのもそこには加味され、無理をしてまで出す必要性を感じていないのだろう。
芸人に聖人君子を求めるのもどうかと思うが、テレビ局幹部の反応こそが芸人への掛け値なしの評価と言えそうだ。