大河「青天を衝け」の死角 渋沢栄一の“カネと女”どう描く
「こんばんは。徳川家康です。今日はまず歴史の勉強です」
語り役である北大路欣也(77)の意表を突いたオープニングで始まったNHK大河ドラマ「青天を衝け」。14日に放送された初回の平均視聴率は20.0%(関東地区・世帯、ビデオリサーチ調べ)。前作「麒麟がくる」の初回19.1%を超える好スタートとなった。初回放送で20%を超えたのは、「八重の桜」(2013年)以来8年ぶりとなる。
主演は吉沢亮(27)。日本の資本主義の黎明期に、銀行、商社、鉄道など500社近くの企業の設立や育成に関わり、「日本資本主義の父」と呼ばれた実業家の渋沢栄一を演じる。渋沢は、著書に「論語と算盤」などがあり、24年には「新1万円札」の顔となる。
好発進となった同作だが、作家の麻生千晶氏は「何話か見てみないと作品としての評価はできませんが」とした上で初回の印象についてこう話す。
「まず、黒崎博さんの演出がいい。徳川慶喜(草彅剛)に渋沢栄一といとこの渋沢喜作(高良健吾)が直訴するシーンでは、手前の2人より遠景の将軍様にフォーカスを当て、身分の差を表現していたり、ドローン撮影で農民たちが農作業をしている豊かな田畑を表現したりしていて素晴らしい」