イルカさんと五輪真弓さんは中野区の小学校に通った同学年
長い年月、言葉を交わすこともなかったのに、とても自然にお仕事ができたんです。これも彼女のお人柄ゆえでしょうね。
■神々しい母の声に聴き惚れた五輪真弓さん
五輪さんとは「恋人よ」以前から長いお付き合いをさせていただいています。レコーディングの時に、音楽のイメージをつかみやすくするために歌を入れます。それを「仮歌」というのですが、オリジナルで発売された「恋人よ」の歌唱は五輪さんが仮歌で歌った時のものなんです。もちろん本番で歌入れもしていますが、仮歌があまりにも素晴らしかったので、それがリリースされることになったんです。
五輪さんがレコーディングで歌う時、本番、仮歌にかかわらず歌詞やメロディーを間違えることがないんですよ。きちんと下準備をされて、いつも完璧なんです。
そんな五輪さんがお母さんになられて、ある時レコーディング合宿にお子さんを連れて来たことがありました。まだ小さかったお子さんを寝かしつけるために子守歌を歌い始めたんですけど、その声のなんと美しいこと! 歌手五輪真弓ではなく神々しい母の声でした。その場に居合わせた全員が聴き惚れましたね。癒やしの声とは、こういうことなんだと感動しました。いまだにあの子守歌は、僕の耳に残っています。