守永真彩さん イスラボニータの種付け、マーヤ初勝利の1枚

公開日: 更新日:

守永真彩さん(タレント/29歳)

 元グラビアアイドルで現在は競馬番組でおなじみのタレント、守永真彩さん。秘蔵写真は自身の名前を付けてもらった牝馬のマーヤが初勝利を飾った時。実はマーヤは今年、2014年の皐月賞馬イスラボニータの仔を出産したが、残念ながらその直後に亡くなってしまった。イスラボニータとマーヤへの心情を語ってくれた……。

  ◇  ◇  ◇

 イスラボニータは最初に好きになった馬でした。私が競馬の番組で美浦トレーニングセンターでの取材を始めさせてもらった13年はイスラボニータが2歳のデビューの年でした。11月のレースで優勝コメントを取材した時が最初。翌年は3歳馬になってレース後だけではなくてレース前も、最終追い切りなどを取材させてもらえるようになり、よく厩舎に行っていたんですね。

 イスラボニータは厩舎ですっごいかわいくって。馬房の前で調教師さんや厩務員さんにインタビューしている時に、「かまって~」という感じで鼻先をツンツン当ててくるんですよ。

 インタビュー後になでてあげても、「もっとなでて~」と私の手をつついてくるほどです。まるでネコみたいにかわいくてしょうがなくて。ほかの馬は人に興味がないとか、噛んでくるタイプもいるのに、イスラボニータはすごくなついてくれた。

 私はまだ20歳そこそこで競馬は今ほど詳しくはなくて、競馬番組は不安もありましたから、なついてくれたのがうれしくて励みになり、仕事でつらい時も「イスラボニータも今、トレセンで頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ!」と心の支えにしていました(笑い)。

 しかも馬房の時は甘えてるのに、共同通信杯を勝ち、皐月賞を勝ち、レースではメチャクチャカッコよくて! そのギャップに完全に魅かれてしまいました。2歳から見てる初めての馬だったので、「あんなに子供だったのにGⅠを勝つ馬になるとは!」とまるで親戚の気持ちで応援してきたんです。

 18年、限られた馬しかなれない種牡馬に、イスラボニータがなった時は私には夢のようで、すごくうれしかったです。北海道で暮らし始めたんですけど、人づてにお願いして会いに行きました。その時はもう大人で、甘えん坊ではなくなってました(笑い)。

■馬主さんの好意で命名してくれた

 その数年前によく取材させてもらっていた馬主さんから電話がきて「今度生まれた馬、マーヤって名前にしたから」と突然告げられて! 「私と同じ名前を付けてください」と頼んだわけではないんですけど、ご好意で私の名からとっていただき、牝馬のマーヤが誕生したんです。

 うれしかった半面「勝てなかったら私の名前のせいだ」と責任も感じたので、プライベートでも頻繁にレースを見に行ってました。マーヤは中央デビューから2着、3着、2着ときて、16年の4戦目、中山で初勝利を挙げたんです。写真はその日のものです。

 その時はプライベートですから、一般席でうれしさのあまり大声で絶叫して。そしたら私が出ている競馬番組を見てくださって、私を知ってる方たちが「マーヤと真彩」の関係を察してくれて、「おめでとう!」と何人も言いにきてくれました(笑い)。

 そして会いに行き、口取り式に参加させていただけたのが、この一枚です。職権乱用かな、フフフ。もはや私自身がレースに勝ったような気持ちでした。

牝の子供は牧場で元気

 マーヤは地方競馬に行き、その後、お母さんになる時に、私が一番好きな馬のイスラボニータに種付けしてもらったんですよ。これはすごいことですよね! 最初に好きになったGⅠ馬の子供を自分の名前の馬に産んでもらうなんて、競馬の仕事をしている私としては最高の出来事。

 1年目は不受胎だったのですが、2年目の去年に種付けしたら受胎してくれて、妊娠したんです。でも、今年の出産前に結腸捻転の手術をすることになり、赤ちゃんを身ごもった状態で手術を行いました。

 術後は順調で予定日より遅れて3月24日に出産したのですが、再度、結腸捻転の手術をすることになり、衰弱してマーヤが亡くなってしまったんです。すごく悲しかった……。亡くなった日が4月10日。5年前、マーヤが最初で最後の勝利を挙げた日のことでした。

 生まれてきた馬は母親はいないけど、牝の子供は牧場の方が育てて2時間置きにミルクをあげたりと大変なのですが、元気に育っています。マーヤには本当に産んでくれてありがとうという気持ちです。

 競馬の仕事を始めて9年、いろんな馬との出合いがありました。今後も頑張って応援します! 今年の日本ダービーは皐月賞を勝ち、無敗でのぞむエフフォーリアや、2014年以来の牝馬の参戦と話題はメジロ押し。歴史的瞬間が見られるのか楽しみです。

(聞き手=松野大介)

▽もりなが・まあや 1991年8月、東京都出身。グラビアアイドルとしてデビュー。シンガーとしても活動。「日曜レース展望KEIBAコンシェルジュ」(グリーンチャンネル)出演中。楽天競馬イメージキャラクター「ポッ娘」を務める。競馬育成シミュレーションゲーム「Winning Post92021」(コーエーテクモゲームス)にキャラクターとして登場。 

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  3. 3

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  4. 4

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

  5. 5

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    フジテレビは中居正広で“緊急事態”に…清野菜名“月9”初主演作はNHKのノンフィクション番組が「渡りに船」になりそう

  3. 8

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 9

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース