著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

不遇を共にしたバカリズムと日村勇紀のブレない「心の支え」

公開日: 更新日:

 当時をよく知る放送作家のオークラは、そういった環境だったから「みんなが『凄え!』と一目を置いていたバカリズムの方法論が、97~98年頃のライブシーンでは“受けにくい人”になってしまった」(太田出版「Quick Japan」vol.121=2015年8月12日発売)と回想する。それはバナナマンも同様だった。けれど「ネタでは負けない」という思いは強かった。

 その心の支えになったのは単独ライブだった。ラ・ママのような複数の芸人が出るライブでは辛酸をなめたが、単独ではネタをしっかり作ればちゃんとウケる。ブームの渦中にいながらも冷静だった土田晃之は、腐ることなく上質なネタを作り続けた彼らを見た当時をこう述懐する。

「(ボキャブラ芸人は)ネタがどんどん荒れてくるじゃない? で、営業みたいなネタになってきちゃったから、その中でバナナマンは完全に軸がもうブレてなかったから、『あー、こういう人たちは強えわ』と思ってた」(TBSラジオ「JUNKバナナマンのバナナムーンGOLD」11年10月21日)

 そんな土田の予感は的中した。かつて毎日顔を合わせていた日村とバカリズムの2人は、今では番組で共演する時にしか会えないほど忙しくなった。そんな状況になってもバナナマンとバカリズムは、売れない時代に心の支えだった単独ライブをブレることなく、いまだに欠かさず開催し続けている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動