せっかく緒形拳さんと1対1で会えたのに…俺の後悔、聞いてください!
芸能生活40年くらいず~っとくだらなく生きてきているので、逆におバカな行動をとれなかったことの記憶がいつまでも消えずに、まるで古い傷痕のようにふっと何かの時に思い出し、胸を締めつけられるのだ。とくにそれが俺くらいの芸能人レベルではめったに会えない大物芸能人だったりすると、その猛省はさらに深まるのです。
例えば、日本を代表する故・森繁久弥先生とドラマでご一緒させていただいた時には先生史上初の野球のボールにサインを書いていただき、先生の周囲の方々を「先生にボールって失礼にもほどがある!」「オイ! だれかあのバカを阻止しろ!!」「ゴルゴ13に頼んで始末しろー!!」(これはさすがになかったけど)などと騒然とさせたのだ。
俺の中でこーいうおバカな歴史を大切に積み上げていきたいのに……それができなかった。そしてこの先やりたくても絶対にできないむなしさはいかんともしがたいのである。
「えっ、どーせおバカなんだし、ダンカンの再挑戦をその大物芸能人に仕掛けたらいいじゃん?」という声も当然あるでしょう……でも、それもできないんです! なぜならその人たちはすでに惜しまれつつ天に昇ってしまっているのですから……。