甲子園で起きた関根潤三さんの「ヴグッ、ゴホゴホ、ウウウ」事件
プロ野球ここだけの話<2>
前回、惜しまれて本年9月に他界されたプロ野球の名実況アナウンサー深澤弘さんのことをお話ししましたが、深澤さんといえば、やはりもう日本中のプロ野球ファンが「つがい」のように思っていた野球実況の名相棒、関根潤三さん(2020年4月9日没、享年93)のお話を……。
法政大学から近鉄に入団した関根さんはMLBを大興奮させている大谷翔平の大先駆者、半世紀以上も前の二刀流でした。投手として通算65勝、打者では通算1137安打の一流プレーヤーであり、現役引退後はミスター(長嶋茂雄氏)が巨人の監督のユニホームを着た時のヘッドコーチ(巨人史上初の最下位にしちゃったのも関根さんらしい?)、そして大洋、ヤクルトの監督(能力がなきゃ監督の声がかからないよー!)を務め、その後はマイクの前、深澤アナの隣ということになったのです。
関根さんに関する球界の話題は湯水のごとくあるのですが、実際に俺が(多分俺ともう一人だけ)が目撃したドキュメンタリーをお伝えします。それは阪神対巨人戦が間もなく始まろうとしている甲子園球場のネット裏上段のマスコミ席でのことでした……。サンケイスポーツの特別記者として記者席で試合開始を待っているそのすぐ前にニッポン放送のブース(といっても、この球場は各局が部屋になっていなくて両隣に仕切りがあるだけです)があり、そこにその日実況を担当するベテラン松本秀夫アナと解説の関根さんがいました。