上島竜兵さんは芸人の“矜持”忘れず…「リアクション芸」の凄みと功績
「一口にリアクション芸と言っても、ダチョウさんの場合、ロングバージョンからショートバージョンまでちゃんと構成があって、集団芸のコントになっていた。上島さんは、トークは苦手だと話していましたが、リアクションでは絶対に笑わせるんだという芸人としての矜持があったと思います」
■誰もがギャグを知っている
しかしながら、体を張って密着を伴うこうした芸風が、コロナ禍、そしてBPOによる昨今の“痛みを伴う笑い”への提言などの逆風にさらされていたのは確か。
先月25日に行われたイベントで上島さんは、コロナの話題になると、「やってることがアツアツおでんとか熱湯風呂とかですから。“ケンカしてチュー”ができないからね。俺としては商売あがったりですよ」と嘆いていた。
「“痛みを伴う笑い”うんぬんという話がありますが、基本的に3人は仲がよく、信頼関係の上で面白くするためにやっているパフォーマンスであることを視聴者はみんな分かっている。それが“芸”の域にまで昇華されていたので、それにはあたらないと思います。上島さんには『人生他力本願』というタイトルの著書がありますが、後輩の有吉さんに毒舌でイジられて怒ったりするのも同じこと。相手のトークの才能を認めつつ、自分はいいリアクションを見せて笑いを取る。まさに“芸”なのです」(前出の鈴木氏)