M-1王者・錦鯉の半生を「ZIP!」が異例の映像化 “中堅芸人ドラマ”は新潮流になるか
「錦鯉のふたりは特に物語があるからだとは思います。くすぶり続けて50歳近くなって、頭のはげ上がった歯のないオジサンがM-1でついに優勝した。優勝の瞬間、本人たちも号泣していましたが、審査員のナイツ塙さんも、サンドウィッチマンの富澤さんももらい泣きしていました。M-1は、もともと単なる賞レースではなく、芸人の人生を感じさせる、お笑いに“感動の文脈”を取り入れた企画だったんです」
今後、この手の“芸人ドラマ”は増えていくのか。
「確かに今までは、たけしさんや志村さんなどのドラマが代表的でしたが、今後は、ダウンタウンさんやさんまさん、タモリさんなど、他の大御所芸人のドラマがあったら見てみたいですね。ただ、本人たちが希望しない可能性はありますが……。そうした大御所芸人のエピソードをなんとなく知っている人は多いと思いますが、それをドラマとしてきちんと追体験したい人は多いと思います。また戦前や昭和の大物芸人は、文化史的にすでに“歴史上の偉人”ですから、いつ朝ドラや大河ドラマになったっておかしくない。さらに今回の錦鯉のドラマが成功したら、中堅の芸人でも、物語性のある人ならクローズアップされてドラマ化される流れが出てくる可能性はありますね」(ラリー遠田氏)
確かに、破天荒だったり、逆に錦鯉のように一夜にしてシンデレラボーイになったり、波乱に富んだ人生を送る芸人は少なくない。“芸人ドラマ”は新たなトレンドになりそうだ。