りりィのヒット曲「私は泣いています」秘話 「ナオコちゃんのために作ったから歌って」と言われた
りりィの巻
アタシが歌いたいなぁって思う曲って、どこか同じにおいをもっているの。
若いアーティストさんたちが最近、世界観っていう言葉をよく使うでしょう。それに似ているけど、ちょっと違う。空気感とでも言ったらいいのかな。「同じじゃん」て言われそうだけど、違うのよ。中島みゆきちゃんの曲なんて歌詞の内容が深いから、聞いてくださっている方に伝えるのってすごく難しい。だから、その曲がもっている空気感をなんとか伝えようと思って努力しているわけなのね。
で、その同じにおいをもっている曲って、歌い手さん自身が作っていることが多いの。だからシンガー・ソングライターの曲に引かれるのね。浅川マキさん、山崎ハコさん、ロックをやる前のカルメン・マキさん……この人たちの空気感が好きなの。わかるでしょ?
前置きが長くなったけど、りりィもそのひとり。りりィとは、アタシが10代の頃から友達。知り合ったのはりりィがデビューしたばっかりで、確か20歳くらい。たばこをブカブカ吸いながら、お酒をガンガン飲んでた。どこかすれた感じだったけど、彼女とはすぐに親友といってもいいくらいの仲になれた。