「次は頑張ろうね」野口五郎ちゃんはオーディション落選を励まし合った仲
アタシが東京に出てきて、曲がりなりにも歌手としてデビューはしたんですが、デビュー曲の「大都会のやさぐれ女」がなかなか売れなくて。
あの当時、無名の歌手がテレビやラジオの番組に出るには、オーディションに合格しないと出られなかったの。その頃よく、オーディション会場で会ったのが野口五郎ちゃん。いつも一緒に落ちていました(笑)。
「今日もダメだったけど、次は頑張ろうね」って、お互い励まし合った仲なんです。
五郎ちゃんとはデビューも同じ1971年。年齢はアタシより2つ下。あの頃は可愛かった(笑)。五郎ちゃんは「博多みれん」っていう曲でデビューしています。
ちなみになんですけど、この年って700人ぐらいの新人がデビューしているんですよ。天地真理ちゃん、南沙織ちゃん、小柳ルミ子ちゃん……。そうそうたるメンバーです。歌謡曲全盛時代でしたね。そんな時代の700分の2。そりゃカンタンには売れないわなぁ(笑)。でも、オーディションを受けずにテレビに出られる人や、全局のオーディションに受かっちゃう人もいて、ちょっとなんだかな~って気持ちになったことも正直、ありました。