放送作家・鈴木おさむが3月に引退…ヒットメーカーだからこそ抱えていた“肩書のコンプレックス”
もっとも知名度のある放送作家となったことで、テレビマンから反感を買うこともあったようだ。
フリーディレクターの三谷三四郎は、自身のユーチューブチャンネル「街録ch~あなたの人生、教えて下さい~」内の動画「聞き手・吉田豪/局員に殴られ流血/指原莉乃に怯え、坂上忍に励まされ、鈴木おさむを逆恨みしたテレビマン人生/街録ch ディレクター三谷」の中で、制作会社に所属していたAD時代をこう振り返っている。
「(鈴木を含む)ヒットメーカーたちはクソ忙しいわけですよ。1週間に15本とか20本とかの分の番組の会議をやるわけですよね。そんな薄い関わり方してるのに、その人が『A』って言ったら『A』になっちゃうのかよってすごい不満抱えてた」
■放送作家がある線を越えようとするとすごい嫌がられる
同じ動画の中で、後になって三谷は「それ(テレビ局がヒットメーカーに頼る構造)を恨むのはお門違い」と思うようになったと補足。後日、同チャンネルに出演した鈴木は「(三谷が指摘した通り、放送作家が)ある線を越えようとするとすごい嫌がられる」ことを痛感し、そのコンプレックスから舞台や番組演出を手掛け始めたと語っている。
これまでのキャリアの多くを手放し、50代前半で別の何かを手に入れようと再び新たな道へと向かう鈴木おさむ。その姿勢を見て、今更ながら貴重な存在だったことに気付く。
(鈴木旭/お笑い研究家)