NHKBS「舟を編む~私、辞書つくります~」原作をより深めた脚本。後半も期待だ
ドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」(NHK BS)の主人公は、出版社に勤務する岸辺みどり(池田エライザ)だ。
ファッション雑誌の編集者だった彼女は、突然、辞書編集部への異動を命じられる。そこでは作業開始から13年という辞書「大渡海」の編纂が行われていた。当初は戸惑っていたが、変わり者の主任・馬締光也(野田洋次郎)に影響され、辞書作りにハマっていく。
原作は2012年に本屋大賞を受賞した、三浦しをん「舟を編む」だ。この小説では、営業部から引き抜かれてきた馬締の歩みが軸となっていた。また13年に松田龍平主演で映画化された際も、ほぼ原作通りだった。
一方、このドラマでは原作の後半に登場する、みどりをヒロインに据えた。彼女は馬締のような言葉の天才ではない。ごく普通の女性だ。いや、だからこそ見る側は、彼女を通じて言葉の面白さや奥深さ、辞書を編む作業やその意味を身近に感じることができる。