テレ朝系「アリバイ崩し承りますスペシャル」での浜辺美波は、異色探偵がよく似合う
6日夜に放送された、浜辺美波主演「アリバイ崩し承りますスペシャル」(テレビ朝日系)。2020年の連ドラが単発形式で復活したのだ。
主人公は、亡き祖父から古い時計店と「アリバイ崩し」の能力を受け継いだ美谷時乃(浜辺)だ。原作は大山誠一郎の同名小説だが、ドラマは大きなアレンジを加えている。
時乃にアリバイ崩しを依頼するのが新米刑事ではなく、中年の管理官(安田顕)であること。もうひとつが、刑事の話を聞くだけで推理していた時乃を、現場にも行けるようにしたことだ。
今回の事件の被害者は、1人暮らしの資産家・富宰建一(春海四方)。重要参考人となった3人の甥や姪の中で、犯人の最有力候補は元シェフの朝倉正平(矢本悠馬)だった。しかし、朝倉には鉄壁のアリバイがあった。
宅配便のシステムを利用したトリック。替え玉によるアリバイ工作。時乃はそれらを見破っていくが、朝倉は逆転劇を仕掛けてくる。全体はライト感覚なミステリードラマでありながら、見る側を最後まで引っ張るストーリー展開は本格的だ。
何より、少ない手がかりをもとに明るく楽しそうに「アリバイ崩し」に挑む異色探偵が、浜辺によく似合う。前作から4年。朝ドラ「らんまん」や映画「ゴジラ-1.0」などを経て、硬軟自在な表現にも磨きがかかっている。
いずれ連ドラの新シーズンも期待できそうだ。