NHK大河「光る君へ」賛否割れる最大の論点は「合戦シーンがないこと」なのか?
ドラマに詳しいライターの木俣冬氏は、これまでの大河ドラマを見てきた視聴者層には「合戦シーンはスケールが大きくなりますし、一対一の対決にしても、刀を交える緊張感あふれるシーンになる」がゆえ、「のっぴきならない状況で何を選択し、生き延びるか、という流れ」が好まれてきたのではないかと分析する。
■「新たな視聴層を狙っているようにも思います」
となると、「光る君へ」の作風はこれまでの大河を楽しんできた視聴者層には、確かに受けが悪そうだ。ただ、同時に木俣氏は同作について、「恋愛ものを好む女性層や、古典文学を愛する方々が興味を持って観ているようです」と、新たな視聴者層獲得という狙いがあるように思えるとも語る。
なお「光る君へ」には、これまでの大河ドラマにはあまり見られなかった「呪詛」のシーンが目立つ。第11回では本郷奏多(33)演じる出家後の花山天皇が新たな天皇の即位を妨害すべくマントラを唱えるシーンがあったし、第14回では段田安則(67)演じる藤原兼家を呪殺すべく、瀧内公美(34)演じる源明子が呪文を唱えるシーンがあった。となると、これらのシーンは平安の世ならではの方法で争う人々の姿を描いたシーン、つまり合戦シーンの代わりなのだろうか。