中尾彬夫妻の“おしどり夫婦”ぶりは「おい、志乃」「何、おまえさん」とやりとりしているようだった
突然すぎるという言葉しか見つからない。先週亡くなっていたことが報じられた中尾彬さん、81歳。店頭買い取り「福ちゃん」のCMに、池波志乃さんと元気な姿で出演していたから、なおさらである。
お話をうかがったのは6年前。池波さんとの共著「終活夫婦」の紹介も兼ね、「私の酒人生」というテーマでご夫婦でご登場いただいた。おしどり夫婦ぶりは取材の撮影の対応の時だけかと思っていたのだが、中尾さんと池波さんは体をピタリと寄せ合い、時代劇調にいえば、「おい、志乃」「何だい、おまえさん」とやりとりしているような仲睦まじさだった。
親しくなったのは新潟の地酒「越乃寒梅」がきっかけだった。50年ほど前、2人は時代劇で共演した。ロケバスの中で中尾さんがつてを頼ってどうにか手に入れて飲んだ越乃寒梅の自慢をした。越乃寒梅は第1次地酒ブームの象徴のような存在だった。すると、池波さんに「私は毎晩飲んでる」と言われて驚いたという。