国際免許無効を知らずに事故を起こした松崎しげる
その頃は取得が容易な海外で免許を取り、国内免許への書き換えや、国際免許で運転することが一般的に行われていた。国際免許の有効期間は1年間だが、頻繁に日米を往復する松崎には米国での国際免許更新はさほど面倒ではなかった。
しかし、02年6月の道路交通法改正で、国際免許制度が大きく変更された。発行時、海外に3カ月以上滞在していないと国際免許は無効。更新のために短期間渡航するだけでは国際免許は効力を持たない。松崎は06年10月に国際免許を更新したが、短期間しか渡航しておらず、国内での運転は無免許運転となった。
もっとも、02年6月の改正は酒気帯び、酒酔い運転の厳罰化が目玉で国際免許の制度変更を知る人は少なかった。松崎も法律が変わったことを知らないまま運転を続けていた。それどころか02年以降、警察に免許を提示する機会は何度かあったにもかかわらず、何も言われたことはなかった。
事故を起こして初めて免許に効力がないことを知らされた松崎はいきなり「無免許運転」と言われて、さすがにショックを受けた。翌07年2月5日、道交法違反と業務上過失傷害の疑いで書類送検。「警察には改正内容をきちんと告知する義務があるんじゃないか」と言う人もおり、刑事訴追されることはなかったが、松崎は責任を取って仕事の自粛を決意。1カ月半の謹慎生活を送った。この時は3人目の子どもが生まれたばかり。謹慎中ずっと家に居て、お風呂にオムツ替えに寝かしつけと子育てに奮闘した。