松本ちえこ さまざまな憶測を呼んだ不可解な婦人科入院騒動
■1978年1月
76年に資生堂「バスボン」のCMでブレークして同年リリースの「恋人試験」のヒットで知られる松本ちえこ。78年1月に産婦人科に緊急入院する騒ぎになった。松本は当時18歳。
異変が起きたのは77年暮れごろ。ミニが似合っていた松本の下腹部が膨らみ、テレビ出演の際にはマタニティー風の衣装が多くなっていった。週刊誌のカメラマンからは「お腹がせり出している。あれはひょっとして」という証言も出た。関係者の間では、すでに妊娠9カ月という噂まで流れるようになった。
12月28日、所属事務所が松本の父親に「妊娠しているという噂が流れています。本当かどうか本人に確認してくれませんか」と電話を入れた。
驚いた父親が問いただすと「妊娠なんかしていない」と否定。だが、11月中ごろから下腹部が張って便秘が続いて尿の出も良くないことも訴えていた。父親が妹のお腹と並べて比べてみると、大きな差はないものの、多少膨らんでいることが確認された。30日夕方、父親は嫌がる松本を知り合いの産婦人科に連れて行った。院長は妊娠ではなく卵巣腫瘍の疑いと診断して松本は年明けにも入院することになった。