仲野太賀を絶賛する父・中野英雄 2人の父子共演を阻むのか? “絶縁宣言”後も付きまとうイメージ

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ヤクザ映画で役者が避けて通れなかった「付き合い」

 東京都で暴力団排除条例(2011年10月)が施行された前年に、第1作目が公開された「アウトレイジ」に関して次のようなエピソードがあると映画関係者は話す。

「アウトレイジ第1弾が興行収入7億5000万円のヒットを記録したことで、北野監督は第2弾の『アウトレイジ ビヨンド』の企画に取り掛かりました。前作は主演の(ビート)たけし演じる大友が、中野扮する木村に刑務所の中で刺されて終わっている。大友が生きているという設定の第2弾では、中野は欠かせない存在でした」

 だが、「アウトレイジ ビヨンド」で欠かせないはずの英雄の出演が危ぶまれる事態になったという。

「第2弾は11年4月にクランクインの予定でしたが、その年の3月11日の東日本大震災で延期に。その間、同年10月に東京都で暴排条例が施行されました。90年代後半に当時、武闘派で知られる指定暴力団の組長宅で開かれた新築と誕生日祝いのパーティーに、清水健太郎や安岡力也などと共に参加している動画が今でもYouTubeで見られるように、中野は反社との交際が疑われました。中野は他にも、出資法違反容疑で逮捕され懲役6年の実刑を受けた“闇金の帝王”と呼ばれた山口組の2次団体、当時の五菱会幹部と交際の噂があったのです」(前出・映画関係者)

 暴排法施行の前年から、芸能界やテレビ業界では暴力団と芸能人の“黒い交際”、反社チェックが始まったという。

「暴力団との交際が疑われた中野は、当時の北野映画のプロデューサーで、『オフィス北野』(現・TAP)社長だった森昌行氏に呼ばれた。結局、『週刊実話』(2011年10月20日号)で暴力団との交際をカミングアウトし絶縁宣言したことで、ビヨンドへの出演が決まったといいます。今では許されないものの、昔のヤクザ映画に関わっていた、いかなる役者もこうした交際を避けて通れなかった事情もあります」(前出・映画関係者)

 戦後、暴力団が日本の芸能やプロレスなどの興行を仕切ったことで、映画業界や芸能界との関係を深めていたため、英雄に限らず、昔のヤクザ映画に出演していた俳優と暴力団が大なり小なり関係していたことは、否定しようのない事実だ。

 暴排法以降もヤクザコンテンツは日本のみならず世界的にも人気を集めているが、昔のように暴力団との交際はイコール廃業につながるため、実生活で付き合いのある役者はほぼ皆無といっていいだろう。

「ヤクザ役を演じることが多いと、どうしてもそのイメージが役者にまとわりついてしまうものです。しかし、親の七光りではなく自らの実力で頭角を現し、クリーンなイメージの太賀に悪影響が及ばないように、中野自身もそれを十分心得ているでしょう。太賀の所属事務所が2世売りを嫌がっているという噂も聞こえますが、ファンが望むような親子共演が実現するといいのですが……」(芸能ライター)

 父親を尊敬しているという太賀と英雄の共演作をいつか見てみたいものだ。

(本多圭/芸能ジャーナリスト)

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