紀州のドン・ファン元妻に「無罪」判決…検察の誤算と裁判員に影響与えた“ストーリー”
覚醒剤を購入しようとした理由について、元妻は11月の被告人質問で突然、「セックスの時に勃たなかったので、社長から『覚醒剤でも買ってきてくれないか』と頼まれた。渡した翌日、『使い物にならん。偽物や。もうおまえには頼まん』と言われた」と主張した。
早貴被告のスマホには「覚醒剤 死亡」「完全犯罪」といった検索履歴が残っていたが、致死量や覚醒剤を飲ませる具体的な方法を検索した履歴はなかった。
判決では<多額の遺産を相続できるなど殺害の動機になり得る事情はあった>としながらも、<携帯電話に「覚醒剤」や「完全犯罪」などの検索履歴があっても、殺害を計画していたとまでは推認できない><氷砂糖の可能性もあり、覚醒剤に間違いないとは認定できない><野崎さんが、覚醒剤を誤って過剰摂取していないとは言い切れない。このため犯罪の証明がない><被告が殺害したとするには合理的な疑いが残る>として無罪とした。裁判員を務めた20代の男性は「判決を出す上で悩みはなかった」と話した。
「合理的な疑いを入れるかどうかは主観的な判断なので、裁判官によって違う」と、弁護士の山口宏氏がこう続ける。