脳卒中は予防したいが…血管は本当に鍛えて強くできるのか
緑黄色野菜のルテイン、トマトのリコペン、ショウガのジンゲロールやショウガオール、ミカンのβ-クリプトキサンチンなど、野菜や果物には抗酸化成分が豊富に含まれている。赤ワインやオリーブオイルも抗酸化作用が高く、ソバに含まれるルチンなども効果があるとされている。野菜中心の食生活が、強い血管をつくるうえでは大切になる。
だが、内皮細胞を健全にすれば万事解決というわけではない。
「血管を強くする目的は〈破れない、詰まらない〉ようにすることです。内皮細胞は血液が血管に凝固することも防ぐので、内皮細胞が健康な状態なら、血管は破れにくく詰まりにくくなります。しかし、血液も含めた血管内の環境が悪ければ、血管は破れやすく詰まりやすくなる。これでは、強い血管とはいえません」
いくら血管を鍛えても、流れている血液がドロドロでは強い血管にはならないのだ。
「血管が強い状態というのは、言い換えれば高血圧、糖尿病、悪玉コレステロールによる高脂血症がない状態のことです。そうしたリスクファクターがある人は、血管という器官だけを強くしようとしても意味がありません。〈攻撃は最大の防御〉といいますが、血管に関しては防御あるのみ。内皮細胞、血液を含めた血管内の環境を整え、血液を正しく循環させることが重要で、リスクファクターを減らすことが求められます」