死亡リスク3割減 急増「前立腺がん」の新たな治療法とは

公開日: 更新日:

「骨転移した前立腺がんの治療に使われる放射性医薬品は、他に『メタストロン』があります。静脈注射で投与して、体の内側から放射線を出すのはゾーフィゴと同じですが、あくまでもこれは痛みを緩和する治療法です。比較的弱い放射線であるβ線で痛みの原因となるがん細胞を殺す。そのことで、鎮痛効果をあげてきたのです」(黒崎部長)

 しかし、ゾーフィゴは破壊力がまったく違う。α線はβ線の7000倍の重量があり、突き抜ける力は紙1枚程度と弱いものの、目的物に衝突したときの放射線量は強烈だ。

「複数の国々で共同実施された臨床試験では、ゾーフィゴを使用した患者さんは、そうでない患者さんに比べて生存期間が4カ月延び、30%の死亡リスクの低下が認められています。これまでは、痛みを取るだけだった患者さんに生存期間延長の希望が出たことは朗報です」(黒崎部長)

 JCHO東京新宿メディカルセンターは、メタストロン治療で都内1位の実績を誇ってきたが、今後は新しい治療法に変わるだろうという。


 中には、“新たな治療法といっても、たったの4カ月しか長生きできないのか”と思う人もいるかもしれない。しかし、これはあくまでも平均的な数字。より長生きする人もいるということだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー